20161205評:藤原孝行(ふじわら・たかゆき=日本福音キリスト教会連合 西甲府教会牧師)

輝け、あなたの誕生日! 私の聖書歳時記366日
田中光三〔著〕

 結論から言いますと、この本はご自分の家族や友人の誕生日、そしてクリスマスや正月に受洗者の方や知人らにプレゼントするのに最適な本です。

 さらに多くの家庭で、特にクリスチャンホームで、食卓にいつも置いて朝ごとに家族で本書を輪読し、祈りをもって一日をはじめられたら本当に素晴らしいと思います。

 著者の田中光三氏と私とは、現在の東京基督教大学の前身校である日本クリスチャンカレッヂ=JCC(東京都杉並区高井戸にあった)で、4年間クラスメイトでした。

 この学校は全生徒が寮生活をしていましたから、他の大学生に比べると、親密な関係があり、本当の兄弟姉妹のような雰囲気がありました。私は元来慌て者で早口でしたが、田中氏は沈着・冷静で、話すのも、ゆっくり丁寧でした。そんな私たち二人がクラスメイトからは「あの二人は名コンビだ」と言われていました。

 それで仲間たちから推されて4年生の前期に田中氏がクラス委員をし、後期に私がクラス委員をしました。また卒業式での答辞を私が文章を作成し、田中氏がそれを筆で巻紙に書き、私が読みました。ですから、田中氏とは日本クリスチャンカレッヂ入学以来、ほぼ60年以上の付き合いをしていることになります。

 私の早口は有名でした。10年余チャプレンをしていた老人ホーム(キングスガーデン)では、私の説教は早口すぎて聴き取りにくいし、テープレコーダーに録音しても速度調整が難しいので本にしてほしいと言われ、その内容を熟考したり、丹念に校正する間もなく、10冊の本を出版しました。

 しかし、田中氏は、今回、児童聖書学校時代から今日までの60年間もあたためてきた聖書の御言葉と歳時記とを見事に合致させ、素晴らしい内容の本を出版されました。私は信仰の友として心からの感謝と賛美とをおくります。

 この本は、1年365日の朝ごとのデボーションに使えるだけでなく、その月ごとの教会暦の出来事を記したり、その月の自然、行事、花言葉や味覚、そして星座に関する記事が記され、俳句が「私の一句」としてまとめてあります。

 私の誕生日は10月1日ですので、10月の教会暦を見ますとマルチン・ルターによる紀元1517年の宗教改革記念日とそれに関する短い説明があります。

 「10月の自然の言葉」には、秋晴れ、いわし雲、紅葉、落ち葉、夜長、朝霧、夜露、朝露、秋冷……があります。

 「10月の花・木」では、てっぽう百合、ポンポンダリヤ、ききょう、まつむしそう、きくの花、秋明菊、いちょう、ほととぎす、もくせい、もみじ、と続きます。

 「10月の味覚」には、秋さば、秋さわら、いいだこ、いなだ、落ちあゆ、ししゃも、さんま、たい、カツオ、などがあり、創造主を覚えるコメントがさりげなく書かれています。

 「10月の星座」では、北斗星を中心に、夜空を見上げてください。北斗七星、小熊座を見つけることが出来ます。とあり短いコメントのあとに、「わたしの一句」として6点ほどが掲載され、

  コスモスの 散りてすぐそこ 待降節

というように一句が紹介されています。

 さらに次のようなコメントがあります。

 さて、この月に誕生された方の日々に、主の御祝福が豊かにありすようお祈りいたします。では、聖句に目を向けてまいります。ご自分に合った聖句であれば幸いです。

 10月1日 箴言10章1節「知恵ある子は父を喜ばせ、愚かな子は母の悲しみである。」……ヨハネ10章1節「まことに、まことに、あなたがたに告げます。羊の囲いに門から入らないて、ほかの所を乗り越えて来る者は、盗人です。」とあり、聖句ごとにその絶妙な解説があります。

 筆者はこの『私の聖書歳時記366日』をあなたの食卓に置くことを心からお勧めします。

 イエスは答えて言われた「『人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる』と書いてある。」と。

『本のひろば』2017年4月号に掲載。