「牧会」の中から生まれた貴重な手引き書

20191125_02鎌野善三著『3分間のグッドニュース[律法] 聖書通読のためのやさしい手引き書』

評者・坂野慧吉氏

 

以前、鎌野善三先生から、「3分間のグッドニュース」をプレゼントしていただいて、興味深く読ませえていただいたことがある。今回新改訳聖書2017版が出版されるに当たり、「歴史」「詩歌」の部分に続いて「律法」が改訂出版された。

 クリスチャンにとって、「旧・新約聖書」を通読することは、とても大事なことである。私も50年ほど前、クリスチャンになったばかりの時に、通読した記憶がある。しかし、それはただ「通読した」という記憶があるだけで、ほとんど何も覚えていないし、恵みを味わった記憶もない。その後、「注解書」を見ながら、「通読した」こともあり、また、何も参考にしないで「通読した」こともある。また今も出版されている「通読のための助けになる」テキストに従って通読したこともある。

 このような「通読」が無駄であったとは思わない。聖書を読んですべてを「理解」し、すべてを「記憶し」、すべてを「実行する」のはなかなか難しいと思う。このような、経験をしているクリスチャンは少なくないと思う。「聖書通読」のためには「注解書」ではなく、「神学書」でもなく、「説教集」でもない。「聖書通読の助け」が必要とされている。このような必要に鎌野善三先生の「3分間のグッドニュース」は大きな助けとなる。

 今回の改訂版を読ませていただいて、さらに読みやすくなっていると実感できる。

 第一に、「創世記」「出エジプト記」「レビ記」「民数記」「申命記」のそれぞれのはじめに。コンパクトな「解説」がなされているのはありがたいと思う。これを読むことによって、それぞれの書物の概要を知り、記された目的やテーマを知ることができ、それによって「創世記」「出エジプト記」などを「読むための土台」が据えられる。

 第二に、通読のために、聖書の箇所「一章」ずつが分けられ、何よりも、最初に「聖書本文」を読むように、すすめられている。これは、とても大切なことである。聖書通読の目的は、何よりも牧師や聖書学者の「解釈」を知り、それを理解することではなく、「聖書そのもの」を読み、味わい、自分のものとすることにあるからである。

 第三に、聖書箇所を読んだ後に、1ページにコンパクトにまとめられた解説を読むことが奨められている。聖書を読み、聖書を味わい、その後に聖書の解説を読むということである。聖書を味わう時、私はその箇所を何回も読み、その箇所を思い巡らし、聖霊の光によって、深い洞察が与えられ、慰めと希望が与えられる。時に深く罪を示される。その後に、解説を読むと、また違った観点から光が与えられる。この「グッドニュース」は分かりやすい。そして決して自分の解釈を押し付けない。

 第四に、著者がその箇所から神によって示されたことをさりげなく、短く記している。これも大いに参考になる。

 最後に、祈りが記されている。聖書を読んで理解しただけではみことばは自分のものにならない。「みことばへの応答」としての「祈り」が大事である。著者は、短くご自分の「祈り」を記されている。これも味わい深い。実際に鎌野先生が祈ったいのりであろう。

先生の「牧会」の中から生まれた貴重な書物であり、さらに「聖書通読」が進められるために、本書が用いられることを願っている。(さかの・けいきち=浦和福音自由教会牧師)