20180803菊地譲 著

続・この器では受け切れなくて
山谷兄弟の家伝道所物語

四六判・368頁・1,800円+税

 

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著者プロフィール

1941年、宮城県に生まれる。1963年、東北学院大学経済学部卒業。1973年、青山学院大学大学院研究科聖書神学専攻修士課程修了。1979年、日雇いになり、山谷伝道開始。1985年、日本基督教団山谷兄弟の家伝道所設立。1987年、同伝道所が山谷地区にまりや食堂を開設。

著書:『低きに立つ神』共著、コイノニア社、2009年、『この器では受け切れなくて』新教出版社、2012年 

2018年9月22日 毎日新聞朝刊に掲載されました

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全10章の内容(著者の紹介を省略形式にて)

1私への啓示

私が支援者から時折言われたことは、山谷で日雇いをしたり、食堂を作ったりするのはわかるが、妨害に対して空手を習ったり、空手のけがで入院するまでして山谷の伝道にこだわるだろうかと。山谷での神との出会いには、特別な意味があったことを述べることで、その疑問に応える義務があると考えた。この本が多分最後になるだろうから、神の凄さを示したいと考えた。

2永伊(仮名)さんと共に

彼との10年以上にわたるかかわりを淡々と書いた。

3お弁当販売

弁当販売のカウンターで会計をしている時、おじさんとの一期一会的かかわりを通して生み出された会話を拾って述べてある。この窓口を通して体験した山谷の様子を皆さまに紹介し、その出来事を分かち合えたらよいと考える。

4アウシュビッツの普遍性

有名な「夜と霧」を取り上げ、感想を述べている。この本で印象的なのは「いい人は帰ってこなかった」というくだりだ。今日、中東で悲惨な内戦や爆弾テロが多く、パレスチナでもパレスチナ人が人権をないがしろにされているような状態の中で、フランクルのこの言葉は非常に重い響きを持っている。 

5創造の神秘

旧約聖書の神が創造をきわめて良かったとか、支配せよとか言っていることなどを取り上げ東日本大震災について考察している。

6ボルダリング

今はやりのボルダリング。人工の壁を上るスポーツ。結構頑張ったが、爪の故障や湿疹でやめてしまった。30年前山谷に来た時、目の前にそそり立つ壁のように、山谷の様々な現象が見えた。

7存在について―サルトルとの対話

人間の意識は自分と向き合っているから対自存在と人間を規定する。……私には人間は対自存在としてだれもが平等だと感じている。

8殉ずる

高田さんは交通事故を起こし、交通刑務所に収監され出所後、行き場がなく山谷に来た。……ここで紹介している高田さんは2017年の冬に亡くなったと聞いている。どこに埋葬されたかはわからない。

9神へ生きる勇気―日々の黙想

ヨブは不幸に絶望したのではない。公平に扱われていないことを嘆くのだ(10・23)。裁きの座を要求し、なぜ自分をないがしろにするかを聞きたいのだ。ヨブの気性の激しさに圧倒される。

10勇太

この犬を買ってきたときは気が荒く、家内にはなつかなかった。私は懸命にえさをやりなだめすかしてしつけをした。それで私にだけは従順だ。……

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