20200206_01原 野百合[著]ベツレヘムの星
四六判・188 頁・本体1,300 円+ 税
ISBN978-4-909871-11-4 C0093

書  評:<評者:中村和雄>混迷する社会の中で、親の信仰は子にどう引き継がれるか?

 

 

 

♪知らずや今宵、暗き空に♪
戦後の砂漠の原を、星に導かれて。

あの苛烈な戦争の終わりは、さらなる新しい戦いの始まりでも あった―。戦争孤児となった和夫少年が一枚のカード「ベツレヘムの星」に導かれるようにたどった数奇な歩みをみずみずしい 筆致で書き下ろした児童文学の意欲作。

「……大学にも行きなさい。経けいざい済的てきなことは心配なしよ。家やちん賃もなし。あなたがこれか ら学校の学びで必ひつ要ような費ひよう用は、先生が残のこしてくれたものから全ぜんがく額でなくても、かなりサ ポートできるわ。実はこれは私わたしの考えではなく、先生の遺ゆいごん言なの。私わたしたちは戦せんそう争で大 切な息子を二人も失うしなった深い悲しみを、あなたが来てくれたことで、どれほど沢たくさん山の慰なぐさ めと励はげましと助けを頂いただいたことかしら。そして立ち上がるのを助けてもらったの。先生 はああいう人で口では何もおっしゃらなかったけれども、あなたのことをいつも喜よろこんで、 感かんしゃ謝していたわ。……」(本文より)

主な目次
1 北関東のはずれに
2 孤児となった和夫と鈴子
3 幼き日の思い出
4 放浪の日々
5 差し伸べられた救いの手
6 海辺の生活
7 焼け野原の東京で
8 戦争孤児たち
9 難破船のごとく
10 荒波から引き揚げられて
11 砂漠の中の泉
12 クリスマス・カードの謎
13 葛藤
14 ともに暮らせる幸せ
15 恩人が残した宝
16 決断
17 闇に輝く星  
参考文献